トップ > 催し・イベント > 俳優祭 > 過去の俳優祭 第34回
第三十四回 平成19年5月26日(土) 歌舞伎座
5月26日(土)歌舞伎座にて第34回俳優祭が昼夜二回、開催されました。当日売りも早々と売り切れる大盛況でした。ご覧になれなかった皆さまにお詫び申し上げます。
開幕前に実行委員長の坂東三津五郎から挨拶と説明がありました。
『郷土巡旅情面影』では、はじめに小松市の小・中・高校生の皆さんによる「勧進帳」の演奏がありました。「俳優祭」としては異色でしたが、歌舞伎の底辺を拡張する試みとして、客席からも幕内からも、その演奏の見事さに感嘆の声があがる大成功の舞台となりました。引き続き、歌舞伎と新派の若手花形俳優による「山鹿灯籠踊」と「阿波踊」が繰りひろげられました。九州の山鹿市から特別に貸し出された本物の山鹿灯籠を頭に載せた「山鹿灯籠踊」の幻想的な美しさ。一転して賑やかな「阿波踊」では子ども連も登場して、お祭り気分が大いに盛り上がりました。
恒例の模擬店「木挽森賑売座留(こびきのもりにぎわうばざーる)」では、俳優達がそろいのTシャツで登場。歌舞伎座の地下から三階ロビーまで、所狭しとお店が並び、どこもお客さまの熱気でヒートアップ。そのあとは表彰式。昼の部は年間を通じて、舞台で優秀な成果を上げたわき役俳優のための「日本俳優協会賞」、夜の部は舞台を陰で支える技術者の方々の「日本俳優協会再建設立五十周年記念功労者表彰」の表彰。場内は祝福の拍手に包まれました。
最後はお待ちかね『白雪姫』。32年前に初演され、俳優祭の上演演目の中でも名作として評判を頂き、今回で4回目の上演。玉三郎の白雪姫の美しさに酔いしれ、團十郎の魔女・海老蔵の鏡の精のやり取りに笑い、菊五郎の北千住観音には新たな伝説の予感(?)・・・。可愛い(?)七人の童や動物たち、小鳥たち、そして幸四郎の王子さままで、まさに楽しさ一杯の俳優祭となりました。
一、伝統歌舞伎保存会主催 研修発表・地域振興
『郷土巡旅情面影(くにめぐりたびのおもかげ)』
企画構成:坂東三津五郎
上、加賀「勧進帳」(小松市の小・中・高校生による長唄囃子演奏)
中、肥後「山鹿灯籠踊」
市川笑子、市川笑羽、澤村國久、澤村由蔵、中村蝶紫、市川笑野、市川喜昇、澤村伊助、坂東玉朗、中村京三郎、中村まつ葉、中村梅之、市川喜久於、片岡千壽郎、片岡りき弥、市川喜太郎、市川猿紫、中村はしの、中村福緒、中村京珠
鴫原桂、山吹恭子、川崎さおり、瀬戸摩純、下坂とみえ、久藤和子、中嶋ゆか里、後藤礼仁子、川上やよい、大野梨栄
下、阿波「阿波踊」
【女連】
市川笑三郎、市川笑也、市川春猿、尾上松也、澤村宗之助、中村亀鶴、中村梅枝、坂東新悟
市川弘太郎、市川段之、尾上菊三呂、尾上菊史郎、尾上徳松、片岡松之亟、中村京紫、中村京蔵、中村芝喜松、中村紫若、中村芝のぶ
【男連】
市川猿弥、市川男女蔵、市川段治郎、市村竹松、市村光、尾上右近、片岡市蔵、片岡亀蔵、中村吉之助、中村錦之助、中村児太郎、中村種太郎、中村隼人、中村松江、中村萬太郎、坂東亀三郎、坂東亀寿、坂東薪車、坂東彌十郎
【子ども連】
片岡千之助、中村玉太郎、中村虎之介、坂東小吉、中村鶴松、中村梅丸
【奴踊り】
山崎咲十郎、坂東八大、尾上松五郎、尾上辰巳、坂東翔次、市川茂之助
二、木挽森賑売座留(こびきのもりにぎわうばざーる)」(模擬店)
企画構成=中村翫雀、大谷友右衛門、市川染五郎、尾上松緑
「俳優祭はこれがいちばんの楽しみ!」というお客さまも少なくない・・・というか、とっても多い模擬店。「俳優祭」オリジナルTシャツなどヴァラエティに富んだ商品を揃えて盛大に行われました。俳優らが"売り子"となって奮闘した会場の様子をご紹介しましょう。
表彰式
昼の部/日本俳優協会賞
夜の部/日本俳優協会再建設立五十周年記念功労者表彰
日本俳優協会では、平成七年度から「日本俳優協会賞」をスタートさせました。この賞は、年間を通じて舞台で優秀な成果を上げたわき役俳優、および、客席からは見えない舞台裏で重要な役割を果たしている俳優を表彰し、育成しようというものです。また「特別賞」は、幹部で広く脇を勤める者で功績のあったものを表彰し栄誉を讃えるものです。今年度は日本俳優協会賞3名、同功労賞1名、同特別賞1名が選考委員によって選ばれました。
また、以前より「俳優祭」などの大きな催しの場を借りて、舞台を影で支えて下さっている技術者の方々の功労を称えた表彰を行っております。このたび、本協会が再建設立五十周年を迎えたことを機会に、各分野で活躍されている5名の方々が表彰されました。いずれの方々も、現在の歌舞伎、演劇界になくてはならない貴重な存在です。
<日本俳優協会賞(写真左)>
左から: 坂東薪車(竹三郎代理)、伊藤みどり、市川八百稔、中村京蔵、尾上松太郎
<永年功労者表彰(写真右)>
左から: 竹柴正二(狂言作者)、芝田正利(附打)、三浦菊雄(床山)、三国明雄(床山)、市川歳三(床山)
四、『白雪姫』 一幕五場
作・演出:尾上菊五郎、振付:初代尾上辰之助(三代目松緑)、美術:市川團十郎
今回、白雪姫役を新たに玉三郎が勤め、また七人の童に初演時は動物や小鳥だった現在の本協会の理事たちが並び、動物や小鳥たちもさらに次の世代が加わりました。昔から語り継がれたお馴染みのグリム童話「白雪姫」。果たして歌舞伎の世界ではどのように・・・舞台の様子をお楽しみ下さい。
配役 | |
---|---|
白雪姫 | 坂東玉三郎 |
お妃実ハ魔女 | 市川團十郎 |
鏡の精 | 市川海老蔵 |
狩人 | 坂東彦三郎 |
七人の童 | 中村吉右衛門 |
同 | 片岡仁左衛門 |
同 | 中村 梅玉 |
同 | 市川左團次 |
同 | 市川段四郎 |
同 | 片岡秀太郎 |
同 | 波乃久里子 |
森の動物 クマ | 中村橋之助 |
同 シカ | 市川染五郎 |
同 タヌキ | 尾上 松緑 |
同 ウサギ | 尾上菊之助 |
同 リス | 中村勘太郎 |
同 サル | 市川 右近 |
同 キツネ | 片岡愛之助 |
同 イノシシ | 中村 獅童 |
小鳥たち | 中村 時蔵 |
同 | 中村 芝雀 |
同 | 中村 福助 |
同 | 中村 扇雀 |
同 | 片岡孝太郎 |
同 | 中村七之助 |
同 | 市川高麗蔵 |
同 | 市川門之助 |
北千住観音 | 尾上菊五郎 |
王子 | 松本幸四郎 |
ご挨拶 | 中村富十郎 |
ご挨拶 | 中村 芝翫 |
<竹本連中>
竹本葵太夫、竹本東太夫、鶴澤宏太郎、豊澤淳一郎
<長唄連中>
唄: 杵屋長四郎、和歌山富朗、松島藤次郎、杵屋五功次
三味線: 柏伊三郎、杵屋勝国修、杵屋巳吉、松永忠一郎