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I.写真の利用について
- Q7.雑誌に載っていた歌舞伎の舞台写真をスキャナーでとりこみ、パソコンのレタッチソフトでイラスト風に加工して、俳優が誰なのかがはっきりわからないようにしました。これをホームページに利用したいと思いますが、いけないでしょうか。
- A.写真家、歌舞伎俳優など権利者の許諾を得る必要があります。
ホームページへの写真利用については、写真家及び歌舞伎俳優の許諾が必要であること、インターネット上における利用については特別の条件があること等については、【質問3】【資料4】をご覧ください。
なお、歌舞伎の舞台には、舞台美術家など作品の創作に関わった人々の著作権が発生する場合もあり、舞台写真の複製についてそれらの権利者の権利が及ぶこともあります。
本問では、特に写真を加工して利用することについての問題点を述べます。
写真家は撮影した写真について、著作権のほか著作者人格権を有しています。著作者人格権の一つである同一性保持権(20条)は、著作物の同一性を保持する権利で、その意に反して変更、切除その他の改変を受けないものとされています。したがって、写真家の許諾を得ないでその写真を加工することは、写真家の著作者人格権を侵害する行為となります。
また、歌舞伎俳優は、歌舞伎の実演を撮影した舞台写真の利用について、肖像権(パブリシティ権)に基づく許諾権を有していますが、単にそれだけではなく、実演を無断で改変して利用することについて禁止する権利(実演家人格権の同一性保持権)も有しています。
したがって、ご質問のように、歌舞伎の実演を撮影した舞台写真を、歌舞伎俳優の許諾を受けることなく加工して利用することは、歌舞伎俳優の財産権だけでなく人格権をも侵害する行為となることがあります。