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財務

令和5(2023)年度 事業報告書
  【貸借対照表と内訳表】 【正味財産増減計算書】 【正味財産増減計算書内訳表】
  【財務諸表に対する注記と附属明細書】 【財産目録】 【監査報告書】
令和6(2024)年度 事業計画
  【正味財産増減予算書】

令和5(2023)年度 事業報告書(2023年4月1日~2024年3月31日)

はじめに

事  業

I. 公益目的事業

  1. 【1】稽古費用および自主的発表会の費用の補助
    若手俳優が個々に自主的に習う日本舞踊、長唄、義太夫、常磐津、清元、謡曲と仕舞、狂言などのお稽古を奨励するため、稽古費用の一部を援助した。
  2. 【2】歌舞伎俳優等の顕彰
    1. 1)優れた技芸を示した歌舞伎のわき役俳優を顕彰する日本俳優協会賞については、コロナ禍以降、座組が縮小。公演数も増えたため、従来通りの投票が難しくなった為休止している。
    2. 2)文化庁と連携して、国の褒章・叙勲や文化庁長官表彰などに、優れた活動を行った俳優や歌舞伎音楽演奏家、舞台スタッフなどを推薦した
  3. 【3】名題資格審査の実施
    2019年以来、5年ぶりに歌舞伎座稽古場にて、第23回名題審査を実施した(3/27)。合格者は19名。松竹㈱、国立劇場、関係各方面に通知した。
  4. 【4】研修発表会の開催
    第39回「俳優祭」を令和5年9月28日(木)に国立劇場で開催した。今回 国立劇場さよなら公演の一環として、国立劇場と共催で行った。研修発表会として『菅原伝授手習鑑』より「加茂堤」と「車引」を歌舞伎の若手俳優らにより上演した。「模擬店」に引き続き、調査研究事業の成果として『映像でふりかえる初代国立劇場の思い出』を発表。ほかに『戯場八景名残隼』を上演した。
  5. 【5】普及事業(その1)『かぶき手帖』2024年版の編集発行
    歌舞伎公式データブック『かぶき手帖』2024年版は、諸々の事情により、刊行が見送られ、2023年度に刊行した2023年度版の販売を引きつづき行い好調の売れ行きだった。
  6. 【6】普及事業(その2)インターネット歌舞伎公式サイトの公開と運営
    1. 1)令和2年4月にリニューアルした「歌舞伎 on the web」の公開運営を行うとともに、「歌舞伎公演データベース」「歌舞伎俳優名鑑」(「現在の俳優篇」「想い出の名優篇」)「歌舞伎演目案内」とその英語版“Kabuki Plays Guide”、「歌舞伎用語案内」のデータの追加更新などを行った。
    2. 2)令和2年に立ち上げた日本俳優協会・伝統歌舞伎保存会YouTube公式チャンネル「歌舞伎ましょう」の運営を引き続き行った。新規公開は3本。
  7. 【7】普及事業(その3)機関誌及び図書の発行
    1. 1)「日俳協ニュース」(随時、発行部数約700部)の第187~229号を編集発行し、会員と関係方面に配布した。
    2. 2)個人情報保護に基づき、これまでの『俳優手帳』を廃止。代わりに会員及び歌舞伎関係、興行・劇場関係などを限定掲載した『日本俳優協会会員名簿2024年版』を編集し、12月1日に刊行、通し番号付け、希望会員と関係方面に配布し、利用に供した。
  8. 【8】調査研究事業
    1. 1)歌舞伎の継承に必要な歌舞伎公演等の調査を行い、毎月の主要劇場と地方公演の演目・配役等の情報を「歌舞伎公演データベース」に蓄積し、「歌舞伎 on the web」のインターネット・コンテンツとして公表し、広く一般の利用に供した。
    2. 2)会員等の毎月の出演劇場を調査、記載した「動静表」を毎月作成し、関係方面に配布するとともに、「歌舞伎 on the web」にアップして一般に公開した。
    3. 3)歌舞伎に関する書籍、DVD、新聞雑誌などの資料を収集整理し、会員及び一般の利用に供した。
    4. 4)第39回俳優祭のうち、国立劇場の歩みと歌舞伎新派の歩みを映像に編集した「映像で振り返る初代国立劇場の思い出」を成果として発表した。
  9. 【9】歌舞伎等の映像と写真を使用するための権利処理事業
    1. 1)歌舞伎等の映像と写真を使用するための権利処理事業。 歌舞伎の出演者の権利を守り、かつ円滑で適正な利用を促進するための窓口として、一般からの利用申請を受け付け、出演者からの許諾を代行する業務を行った。
    2. 2)使用者から令和5年1月~12月までに受領した使用料を、令和5年3月に会員等の権利者に分配した(約3,400万円)。
    3. 3)インターネット時代の複雑化する利用形態に対応して、歌舞伎を広く普及するための利用方法と、適正な分配を行うため、松竹株式会社と本法人の「歌舞伎等の映像・音声・写真に関する基本協定書及びシネマ歌舞伎等に関する覚書」に則り、権利処理を行った。
    4. 4)④ 10月から実施された「インボイス制度」に対応のため、分配金処理ソフトを改変とバージョンアップした。
  10. 【10】歌舞伎俳優等の舞台活動の向上のための事業
    1. 1)歌舞伎公演が順調に行われるために、歌舞伎俳優やスタッフの健康管理と安全対策など、芸術活動をすすめるための環境整備事業を行った。
      1. (1)インフルエンザ予防接種(令和5年10月~6年3月上旬まで)
        会員、付人、番頭等、合計83名
      2. (2)平成25年4月から再開場した歌舞伎座地下に本法人が借用した歌舞伎用具保管のための倉庫の管理運用を行った。
      3. (3)地方公演における食費補助制度(補食費の支給)を継続して実施した。
        昨年度に博多座及び名古屋御園座と取り交わした覚書(請負契約)に基づき、補食費の支払いを本法人が一括して預かり、支払を代行した。
      4. (4)出演者交通費支給制度を継続して実施した。国立劇場に支給上限金額を上げるよう要望  書を提出。国立劇場より受諾の回答を得て「協定書」を改めて締結した。
      5. (5)医療費補助を実施し、歌舞伎公演の出演者とスタッフの健康管理につとめた。本年度の補助は14名に対し合計1,379,000円を支給した。
      6. (6)「社会保障・税番号(マイナンバー)制度の実施に対応し、会員管理システムを使用して会員等の「マイナンバー」の収集保管を行った。
      7. (7)「インボイス制度」の実施に対応し、適格事業者登録番号の収集保管を行った。
      8. (8)「さばき(演出補助)」について、松竹㈱演劇部と協力して整理し、支給の基準を作成した。
      9. (9)「中日」と「初日」の問題について会員へのアンケートを実施。廃止
  11. 【11】その他、目的を達成するために必要な事業
    1. 1)関係団体との連絡提携
      1. (1)伝統歌舞伎保存会と協同して、歌舞伎の技芸の継承のための事業を推進した。
      2. (2)歌舞伎俳優等の著作隣接権処理の円滑化のため、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(略称:芸団協)、一般社団法人映像実演権利者合同機構(略称:PRE)の社員として、権利の保護と、映像コンテンツの円滑な流通を図った。
    2. 【12】義援金の募集と寄附
      令和6年1月1日に発生した「能登半島地震」被災地復興支援のために、松竹㈱と協力し、一月の歌舞伎座、浅草公会堂、新国立劇場、新橋演舞場、大阪松竹座、三越劇場など本協会会員出演劇場にて、募金活動並びに義援金募集チャリティーを開催し義援金を募った。募金活動については本年度末まで行った。集まった義援金は令和6年度に入ってから、日本赤十字社を通じて被災地に寄付を行う。

II. 収益事業

令和5年9月27日(水)、国立劇場にて第39回俳優祭を実施した。

〔事業報告の附属明細書〕

特に記載する事項は無い。

令和5(2023)年度 財務諸表

令和6(2024)年度 事業計画書 (2024年4月1日~2025年3月31日)

はじめに

公益社団法人として、内閣府公益認定等委員会の監督のもとで、厳正な運営をめざす。定款に明記してあるとおり、わが国の伝統芸術である歌舞伎等の継承発展をめざして、以下の事業を推進し、公益法人としての責務を果たしていく。

事  業

I. 公益目的事業

  1. 【1】稽古費用および自主的発表会の費用の補助
    歌舞伎等の若手俳優が自主的に行うお稽古費用や、個人または小グループで自主的に開く小規模な発表会などの費用の一部を援助する。
  2. 【2】歌舞伎俳優等の顕彰
    1. 1) 年間を通じて優秀な舞台成果を上げた名題および名題下、幹部・青年部俳優と、舞台の陰で尽力した俳優及びスタッフを選び、「日本俳優協会賞」を贈呈・表彰する。
    2. 2)文化庁と連携して、国の褒章・叙勲や、文化庁長官表彰などに、優れた活動を行った俳優や歌舞伎音楽演奏家、舞台スタッフなどを推薦する。
  3. 【3】名題資格審査の実施
    本年は実施年ではないので、次年度以降の実施について協議検討する。
  4. 【4】研修発表会の開催
    本年度は現時点で実施予定はない。次年度に実施する方向で日程等を松竹演劇部、歌舞伎座と協議し、準備を進める。
  5. 【5】普及事業(その1)『かぶき手帖』の編集発行
    歌舞伎公式データブック『かぶき手帖』2025年版を2025年1月2日に発行発売する。編集・発行は松竹株式会社、一般社団法人伝統歌舞伎保存会との共同である。判型は大型文庫版。352頁。カラー写真多数。予価 1,482円(税別)。発行部数1万部。現役の歌舞伎俳優全員の最新プロフィールと活動実績、演奏家、作家・演出家などの最新データを調査し、最新舞台写真とともに掲載する。毎年の特集は未定。歌舞伎座始め全国主要劇場と一般書店、ホームページで販売する。
  6. 【6】普及事業(その2)インターネット歌舞伎公式サイトの公開と運営
    インターネットで、歌舞伎に関する情報を広く一般国民に提供する公式ホームページ「歌舞伎 on the web」を、引き続き運営する。歌舞伎公演や歌舞伎に関する最新情報を収集し、一般に公開する。また、昭和 20 年から今日までの約80年間にわたる「歌舞伎公演データベース」、「歌舞伎俳優名鑑」(現役篇、想い出の名優篇)などのコンテンツも継続して一般の利用に供する。歌舞伎の普及をはかるために「歌舞伎演目案内」「歌舞伎用語案内」についても、引き続き、一般の利用に供する。
  7. 【7】普及事業(その3)機関誌及び図書の発行
    1. 1)本法人の事業を広く一般に公表し、一般の閲覧に供するため、本法人のホームページを運営公開するとともに、「日俳協ニュース」(随時、発行部数 500 部)を編集発行し、関係方面および一般に配布する。
    2. 2)会員及び歌舞伎関係者の住所を掲載した『俳優響会会員名簿』2025 年版を編集し、毎年1回12月1日に刊行し、内部希望者限定で配布する。
  8. 【8】調査研究事業
    1. 1)公式ホームページ「歌舞伎 on the web」 で公開している「歌舞伎公演データベース」「歌舞伎俳優名鑑」(現役篇・想い出の名優篇)を継続して公開するとともに、常時追加訂正等を行う。
    2. 2)歌舞伎の継承に必要な歌舞伎俳優、歌舞伎音楽演奏家、歌舞伎公演等の調査を行い、データベースに蓄積し、「歌舞伎 on the web」のインターネット・コンテンツとして広く一般の利用に供する。
    3. 3)歌舞伎に関する書籍、DVD、新聞雑誌などの資料を収集整理し、会員及び一般の利用に供する。
  9. 【9】歌舞伎等の映像と写真を使用するための権利処理事業
    1. 1)歌舞伎等の映像と写真を使用するための権利処理事業。
      歌舞伎の舞台記録と舞台写真等の出演者の権利を守り、かつ適正な利用を促進するための窓口として、一般からの利用申請を受け付け、一括して許諾を行う。
    2. 2)利用者からの使用料を徴収し、1月から 12 月までに受領した使用料を翌年3月(年度末)に権利者に分配する。
    3. 3)インターネット時代の複雑化する利用形態に対応して、適切な利用と分配を行うため、松竹株式会社との間で締結した「基本協定書」に基づき、劇場公演等の広報宣伝における写真と動画使用のルールの見直しと、料金体系の整備をすすめる。
    4. 4)インボイス制度対応のため分配ソフトの改変を行い、登録事業者ならびに免税事業者別の請求書を発行。使用者ならびに出演者双方の便宜を図る。
  10. 【10】歌舞伎俳優等の舞台活動の向上のための事業
    1. 1)歌舞伎等の公演が順調に行われるために、歌舞伎俳優等やスタッフの健康管理と安全対策など、芸術活動をすすめるための環境整備事業を行う。
      1. (1)インフルエンザ予防接種
      2. (2)歌舞伎座の地下に設けられた俳優用具保管倉庫の管理を行い、よりよい公演活動のための環境整備に資する事業を行う。
      3. (3)地方公演における食費補助制度を継続して実施する。名古屋御園座、博多座と締結した契約に基づき、本法人事務局で一括預かり、該当者への振込みを行う。
      4. (4)出演者交通費制度を継続して実施し、松竹株式会社および日本芸術文化振興会(国立劇場)から受領した交通費を名題下俳優に支給する。
      5. (5)医療費補助を実施する。
    2. 2)そのほか、師弟関係や楽屋内でのルールなど、必要に応じて理事会で協議し、松竹株式会社や日本芸術文化振興会(国立劇場)などと協議する。

II. 収益事業(俳優祭)

令和5年度に開催した第39回「俳優祭」につぎ、令和7年以降第40回俳優祭開にむけて、日程等を松竹株式会社、歌舞伎座と調整し、準備を進める。

III. その他の事業

  1. 1)関係団体との連絡提携
    伝統歌舞伎保存会と協同して、歌舞伎の技芸の継承のための事業を推進する。また、歌舞伎俳優等の著作隣接権処理の円滑化のため、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(略称:芸団協)、一般社団法人映像実演権利者合同機構(略称:PRE)などと連携して、権利の保護と、映像コンテンツの円滑な流通を図る。

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