市川左團次さんご逝去
(2023年4月18日)
尾上菊五郎劇団得意の世話物にとどまらず、時代物や新歌舞伎の舞台にも厚みを加えた歌舞伎界における貴重な存在であり、日本俳優協会常任理事・伝統歌舞伎保存会会員の歌舞伎俳優市川左團次(いちかわ・さだんじ、本名:荒川欣也=あらかわ・きんや)さんが、令和5年4月15日(土)午前3時48分ご逝去されました。享年82歳。ご葬儀・告別式は家族葬で執り行われる予定です。
【略歴】
昭和15年11月12日生まれ。三代目市川左團次の長男。22年5月、東京劇場『寺子屋』の菅秀才で五代目市川男寅を名乗り初舞台。37年2月歌舞伎座『曽我の石段』の八幡三郎などで五代目市川男女蔵を襲名。54年2月歌舞伎座『京人形』の左甚五郎、『毛抜』の粂寺弾正で四代目市川左團次を襲名。
当たり役は歌舞伎十八番『暫』の清原武衡、『助六』の意休、『実盛物語』の瀬尾十郎、『御所五郎蔵』の星影土右衛門、『髪結新三』の長兵衛、『らくだ』の佐兵衛、『魚屋宗五郎』の家老浦戸十左衛門や、『盛綱陣屋』の和田兵衛秀盛、『仮名手本忠臣蔵』の高武蔵守師直、不破数右衛門、『夏祭浪花鑑』の釣舟三婦、『身替座禅』の奥方玉の井、『夕顔棚』の爺など。
平成9年第十八回松尾芸能賞優秀賞。10年眞山青果賞特別賞。23年旭日双光章。28年度日本芸術院賞。
謹んでご冥福をお祈りいたします。