尾上菊十郎さんご逝去
(2020年10月09日)
菊五郎劇団で長年渋い脇役として活躍した、日本俳優協会会員・伝統歌舞伎保存会会員の歌舞伎俳優・尾上菊十郎(おのえ・きくじゅうろう、本名:熊野恵一=くまの・えいいち)さんが、令和2年9月24日(木)午前11時50分、慢性心不全のためご逝去されました。享年88歳。ご葬儀は故人の意志により近親者にて執り行われました。
【略歴】
六代目尾上菊五郎に入門し、昭和23年4月尾上幸一を名のり新橋演舞場『助六曲輪菊』の若い者で初舞台。33年1月新橋演舞場で尾上梅五郎と改名。43年2月歌舞伎座で四代目尾上菊十郎を襲名し名題昇進。
立役のベテラン。菊五郎劇団の渋い脇役として『弁天娘女男白浪』の狼の悪次郎や、『暗闇の丑松』の湯番頭甚太郎、『髪結新三』の肴売新吉などで江戸の空気を漂わせる貴重な存在。立廻りの立師としても活躍し、後進の指導者としての功績も大きい。最後の舞台は平成30年10月歌舞伎座『助六曲輪初花桜』の遣手おてつ。昭和46年3月国立劇場奨励賞ほか多数。平成23年文化庁長官表彰。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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